
海水浴場に対する親しみ、訪問希望を図5−3−15、図5−3−16に示す。親しみをもてた人は12件(66%)と半数以上で、また、「ぜひ行きたい」「機会があれば行きたい」と解答した人は14件(74%)と海水浴場が人に与えた影響は良いものであると考えられる。
次に、海への心理的感情を図5−3−17〜図5−3−19に示す。「海にもっと近づきたい」「眺めるだけでなく海水に触れたい」と解答した人は共に15人(79%)と高い割合を占め海への接近・接触を強く求めていることがわかる。同様に、「波打ち際を歩いてみたい」でも14件(74%)と比較的高い割合を示している。ここでは、障害者の海への接近や接触そして水際での移動といった潜在的な海への欲求、すなわち心理的な感情が強く表れた。
海水浴場でのハード及びソフト整備の必要性を図5−3−20に示す。前浜の整備として考えれる5項目の中で「ボランティアによる介助」が17件(37%)と特に高く、ボランティアによる介助の必要性が謳われている。次いで、「標準型の車椅子でも移動の出来る砂浜の砂の整備」が9件(20%)を占めている。このことから自然環境を壊さず、かつ自由に行動できる砂の整備にも期待をよせていることがわかる。最後に、被験者の性別および年齢、障害種別を図5−3−21〜図5−3−23に示す。
海の公園半島部(親水護岸)での調査結果は、片瀬西浜海水浴場での調査結果とほぼ同様な結果が得られた。このことから、すでにバリアフリー化の整備推進のなされている海洋性レクリエーション施設における移動のし易さおよび移動時における安全性は、比較的高く評価・確保されているものと思われる。しかし、移動しづらい、危険と感じる個所も障害の種類・程度により表れていることから、いかに移動障害者の身になり整備していくかが今後の課題になるであろう。特に、利便施設の整備においては考えなければならない課題が多く残されている。本調査では障害者専用トイレが整備されているにもかわらず、その整備に不満を抱いている人が多く見受けられた。この要因として、トイレの位置を示すサイン標示が示されていないことや管理上の問題から生じる便器の不清潔さがあげられる。利便施設を単に設置するだけではなくその設置場所および管理システムをよく考慮し整備すべきである。
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